話が長くてすいません。昨日の続きになります。女性の場合40歳になると何故妊娠出産が難しくなるかのクライマックスになります、35歳頃からこの傾向は始まります。
前回まで排卵直前の卵子が持つ1組(2個の)遺伝子を女性の性染色体で説明しました。これをXXとします。排卵直前ではXXは分裂仕掛けのX Xと少し分裂しかけております。分裂や成熟には大変なエネルギーが必要となりそのエネルギーは*ミトコンドリアと呼ばれる栄養源です。また分裂仕掛けを止めて置くのもしっかりとした*結束バントが必要です。分裂仕掛けの状態は自然の状態では排卵16時間前に起こるLHサージ(黄体化ホルモンの大量放出)より始まります。X X→X Xと完全に分離しX+X(⇦こちらは消えてなくなります。)第一時減数分裂です。GV期と呼ばれる卵子がM1期に成熟します。**これが第一減数分裂です。
更にXは複製しX→xxとなり排卵直前後には成熟したXX→X+X(⇦極位の放出が起こりこちらは卵子の外側の膜(透明体)近くに小さい小さな丸い細胞として残ります。)これが第二減数分裂になります。排卵後卵子はM2期と呼ばれる成熟卵になり精子の侵入を待ち構えます。精子が侵入すると放出された極体も分裂し二つの小さな丸い細胞として確認できます。精子侵入後は前核期という状態で確認できるので受精翌日には顕微鏡で卵子の中心に二つの核(卵子の核と精子の核)と外側に二つの極体が確認できます。その翌日にも分裂は続き順調に進めば2細胞→4細胞→8細胞→桑実胚→胚盤胞(細胞数は大変増えて200〜300細胞)と呼ばれる状態に5日後に成熟します。
**第一減数分裂時に多くの遺伝子異常が始まります。今日はここまでにさせて頂いきます。次は第一減数分裂に必要とされ*ミトコンドリア説と*遺伝子結束バンド説の話をさせて頂きます。これを見て薬局へ”ミトコンドリアサプリメント”を買いに行く方はお馬鹿さんです。ちょっと待って下さいね。残念ながら未だに40歳を超えると良い治療法がないのです。次にお話しする二つの有力な学説は何年か前の学会で見たものを思い出して投稿します。ミトコンドリア説は20年前にはありました。ご存知、出来悪の私でしたが、学会で聞いただけの耳学問が今でもすぐ思いせるのは生理学(基礎医学)の大切さを終えてくださった佐々木教授のお陰です。