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稲垣院長が当院を開業して以来の学会発表です。

     
NEW  第80回 日産婦愛知地方部会  平成17年1月29日   クロミフェン単独刺激体外受精 至適採卵日調節の検討  
     

【はじめに】
体外受精では最適な時期に採卵を行うことが重要であり、ビルクリニックの場合、休日の為キャンセルを余儀なくされることがある。そこで結合型エストロゲン(以下EE)を前投与することにより至適採卵日が移行できるか検討したので報告する。

【対象と方法】
対象となった症例は平成15年6月からの1年間に行われた体外受精症例201例342周期で全ての症例は月経開始3日目よりEE 1.25mg/日を連日内服し、症例により5-15日目からクロミフェン100-150mg/日(以下CC)を5日間内服した。CC低反応で2段投与を行ったりEEを併用しなかった症例は今回の検討から除外した。それぞれ採卵までに要した日数と妊娠率を比較検討した。

【結果】CC5日目内服開始症例の採卵日(CC内服開始より)及び妊娠率は10.5±1.4 27.3%(59/216)6日目は10.2±1.1日 28.3%(13/46)7日目 10.0±1.1日 35.1%(13/37)8日目 10.0±1.0日 17.4%(4/23)9日目以上 10.2±1.6 30%(6/20)でEEを先行投与することにより至適採卵日をほぼ同様に延期させ妊娠率も良好であった。

【結論】
EEを先行投与すれば、CC投与開始を遅らせることによりほぼ同日数(内服開始から10日後)で至適採卵日の移行可能で更に妊娠率には影響が無かった。採卵日の調節に有用な方法と考えられた。

       
     
NEW 第23回 産婦人科漢方研究会学術集会  平成15年9月7日  「高FSH不妊症における漢方治療の試み」
○ 徳川レディスクリニック 稲垣資郎(名古屋市)  トヨタ記念病院不妊センター 森脇崇之 勝股克成

      【はじめに】
高度生殖治療の進歩により不妊治療は格段の成果をあげているが、高FSH性の不妊症症例には未だ有効な治療法は確立されていない。
しかしながら原因と推測されているのは自己免疫過剰による原始卵胞の消失であり免疫抑制作用のある柴苓湯が有効と考えられた。そこで不妊治療に柴苓湯を併用し検討したので報告する。

【対象と方法】
対象となった症例はFSHが10以上(11.04〜40.19)の難治性不妊患者7例で平均年齢39.1±1.3歳、平均不妊期間3.8±2.4年でありツムラ柴苓湯を1日9.0g連日内服した。投与前と投与後1〜3ヶ月にFSHを測定した。

【結果】
治療前の平均FSHは21.7±9.5で柴苓湯投与後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月でそれぞれ9.7±3.3、9.9±6.1、10.85±4.84で有意にFSHの低下を認めた。またこの期間中に一症例に妊娠が成立し経過良好である。

【結論】
早発卵巣不全(早発閉経)の症例は、治療に難渋することが多く、分泌過剰になっているFSHの分泌を抑える為にKaufmann療法やGnRHagonistを投与する方法が試みられているが、必ずしも良い結果が得られているわけではない。
また、妊娠を希望する場合には、排卵誘発を行うこともあるが、FSHの値が20を超えるような症例では妊娠を期待するのは難しい。
今回の検討から、柴苓湯は免疫抑制作用により、高値のFSHを有意に低下させることが推測された。更に、妊娠が成立した症例も1例確認されたことから、柴苓湯はFSH不妊症の治療の1つとして考慮すべき方法であると考えられた。
       
     
安全性・経済性・成功率の視点からみたクロミフェン単独卵巣刺激による体外受精の意義
稲垣資郎 愛知・稲垣婦人科  総合上飯田第一病院 市立半田病院 豊橋市民病院  安藤智子 古橋円 若原靖典 菅沼信彦
     

【目的】クロミフェン単独投与による体外受精(C-IVF)は、卵巣過剰刺激症候群( OHSS)の発生頻度も低く、 hMG投与(hMG-IVF)に比べより安全な卵巣刺激法であるが 、回収卵数は少なく、その効率が問題となる。 周期当たりの妊娠率も10%程度と報告 されているが、一般にhMGに対する反応不良例などが対象となるため、 正確な評価と はならない。そこで我々は、hMG-IVFとC-IVFとを無作為に行い、安全性・経済性・成功率の視点から比較検討した。

【方法】 hMG-IVFを293周期(197例)に、C-IVFを571周期(224例)に、施設倫理委 員会の承認を得、 日産婦ガイドラインに従い施行した。患者年齢はhMG-IVF群で32.9 ±4.1才、C-IVF群で34.5±4.0才で、 不妊期間、適応にも差異は認めなかった。ICSI はhMG-IVF群で118周期、C-IVF群で84周期に行った。

【成績】hMG-IVFでは、刺激周期当たりの採卵数が12.8±9.8(0〜62)個、受精卵数 が7.0±6.9(0〜32)個で、 C-IVFの1.3±0.6(0〜4)個および1.2±0.6(0〜4)個の 各々約10倍ならびに約6倍であった。 しかしながら、中等症以上のOHSSがhMG-IVFでは 42周期(14%)に発症したのに比べ、C-IVFでは皆無であった。 周期当たりの妊娠率は 、hMG-IVF群でその凍結胚-融解移植の結果を含め37.2%と、C-IVFの19.6%に比して 高 値を示したが、周期当たりの費用はC-IVFがhMG-IVFの約1/3、通院日数も約1/9と患者 負担は軽減した。 最終的な患者当たりの妊娠率は、hMG-IVFで55.3%、C-IVFで57.1%と 同様の成績が得られた。

【結論】C-IVFはhMG-IVFとほぼ同等の臨床効果が期待でき、安全性・経済性の観点か らはhMG-IVFよりも優れており、 より広範な適応が可能であると推察された。

       
     
第44回日本不妊学会学術講演会 平成11年11月11日  当帰芍薬散を併用したクロミフェン単独刺激体外受精の検討
     

当院では結合型エストロゲン併用クロミフェン単独刺激体外受精を積極的に行って いるが、 妊娠率の向上を目的として不妊治療薬として従来より広く用いられてきた当 帰芍薬散を更に 併用し検討を行ったので報告する。対象となった症例は平成10年10月 から平成11年4月までに 当院で結合型エストロゲン併用クロミフェン単独刺激体外受 精を行った44例で月経開始3日目より 採卵までの卵胞期に当帰芍薬散7.5g/日、結合型 エストロゲン1.875mg/日を経口投与した。 同時期に行われた結合型エストロゲン併用 クロミフェン単独刺激体外受精症例52例と妊娠率等を比較検討した。 尚クロミフェン は月経開始5日目より25〜150mgを5日間投与し低反応症例には適時2段投与を行った。

結果は、当帰芍薬散併用例:非併用例 平均エストラジ゛オール 877±351:795±367  平均 LH 6.6±2.5:6.7±2.9 平均胚移植数 1.3±0.6:1.4±0.6 平均子宮内膜厚  9 .7±2.5:10.6±2.9 平均年齢 37.1±4.3:35.3±3.4 (p=0.026) 既往体外受精回数  2.7±2.4:1.29±1.5(p<0.01) 妊娠率15.9%(7/44):30.7%(16/52)(p<0. 01)であった。 平均年齢に若干の有意差と既往体外受精回数に有意差を認めた為非投 与群のみ年齢或いは 既往体外受精回数が多いものを検索し再検討したがはやり妊娠率 の低下傾向を認めた。

今回の検討は厳密な統計とは言えないが、 妊娠率は有意な低下 を認め卵胞期のみに当帰芍薬散を併用するこの方法は有用とは言えなかった。

       
     
第69回 日産婦愛知地方部会 平成11年7月3日  エストラジオール及びLH測定キットについての検討
     

【目的】エストラジ゛オール及びLHの測定は不妊治療に不可欠の検査であり精度も迅速性も重 視されている 。当院では従来よりRIA法により検査依頼を行っていたが迅速性に不満 があった。今回同じ検体でEIA法 (ミニバイダス:日本ビオメリュー)と従来のRIA法 で測定を行い信頼性について検討したので報告する。

【方法】LHはEIA法として用い たスタンダードはWHO 2nd IRP 80/552でキット名称はルミノマスター でありRIA法は WHO 1st IRP 68/40 スパック-Sである。エストラジ゛オールの対象検体は自然周期或いは クロ ミフェン周期による排卵直前の症例45例とし、LHは月経開始5日目の検体もそれに加 えた47例である。 月経開始5日目のエストラジ゛オール(低い値)を対象とすると相関係数は高 くなるものの 実践的な検討が出来ないため統計からはずした。LH構造異常症の症例も 統計からはずした。

【結果】エストラジ゛オール:y=103.34+1.3881x R^2=0.796 LH:y=0.6 2210+0.6420x  R^2=0.946であった。またRIA法で検出不能であったLH構造異常症の症 例1例がEIA法では検出可能であり、TR-FIA法でも確認した。

【結語】この検査法は迅 速でRIA法と十分な相関が得られ有用と考えられた。LH構造異常症にも有用であった 。

       
     
平成10年度 日本不妊学会中部支部学術集会 平成10年5月30日  医師一人で行う体外受精の手順 
     

従来体外受精は、多数のスタッフと培養液など特殊な機材に加え滅菌処理に用いる超 純水が必要とされ 小規模施設では施行し難いものであった。しかしながら近年消耗品 の殆どは流通され、 超純水による処理の必要もなくなり個人施設でも簡単に体外受精 を行えるようになった。 当院は医師1名検査技師1名ポーター1名で月間10例前後の体外受精を行い良好な結果を得ているので報告する。

卵子の培養に用いる培養液をはじ め、卵胞洗浄用のPBS、滅菌パスツールピペットも全て市販のものを用い、 多くの操 作にはディスポの注射器を用いている。クロミフェン単独周期が殆どなので採卵も1 〜2分で終了し 2時間の安静の後にて帰宅させている。現在まで、この方法-で移植周 期あたり23.1%(34/147) 患者あたり47.9%(34/71)の妊娠率を得ている。OHSSの 心配もほとんどなく体外受精は従来の人工授精の感覚に近づいている。

       
     
第67回 日産婦愛知地方部会学術講演会抄録 平成10年6月13日  AIDから学ぶもの
     

重度男性不妊症の最後の治療法としてAID(非配偶者間人工授精)が行われているが、 近年結婚年齢の高齢化にともない妊娠に苦慮する事が多々ある。当院にて平成8年10 月よりAIDを行なっているが、 その成績は必ずしも芳しいものとは言えない。しかし ながらその結果は、男性因子を除外した人工授精の成績 とも考えられ年齢や排卵誘発 法に学ぶものがある。

対照となった症例は、他医よりAID以外に妊娠の成立が不可能 と 診断された25才から47才の患者85例で合計398回のAIDを施行した。精子処理はHTF 培養液を用い37℃、 5%炭酸ガス環境下のswuim-up法を用いた。妊娠例は49例で周期 あたりの妊娠率は12.1%であった。 これを年齢、既往AID回数、女性因子、排卵誘発 法などで検討を行ったので報告する。

尚、妊娠はon goingまたはbaby take homeのみ とし、操作にあたっては日本産科婦人科学会の会告を順守し行った。

       
     
第50回日本産科婦人科学会学術講演会 平成10年4月20日  
結合型エストロゲン併用によるクロミフェン単独刺激体外受精の検討
     

【目的】近年HMGを用いた体外受精の普及はめざましく、有益な成果をもたらしてい るが、OHSS、多胎妊娠、 頻回な通院に よる経済的、精神的負担等の問題も指摘されている。一方、クロミフェン単独では内膜の皮薄化による 妊娠率の低下が指摘されてい る。今回、結合型エストロゲンを早期から投与しクエン酸クロミフェン単独刺激によ る 体外受精(以下C-IVF)を行い良好な結果を得たので報告する。

【方法】対象とな った症例は平成8年3月より当院にて施行された男性因子不妊を除く不妊症症例86周期 49例で 月経開始3日目より結合型エストロゲン1.25mg経口投与し5日目よりクロミフェ ン50mgを5日間投与 月経開始11日目より卵胞を計測、主席卵胞が16ミリ以上になっ た時点でhCG5,000単位の筋注を行い、38時間後に採卵した。

【成績】同時期に行われたGnRHa併用hMG刺激の体外受精(以下Long-IVF)34周期28例と比較検討をした。 結果 はC-IVF:Long-IVFで平均 peak E2 622:1525 平均採卵数1.4:6.5 平均胚移植数 1.3:2.4  周期あたりの平均通院日数7.1:18.0 周期あたりの妊娠率27.9%:29.4%で あり、妊娠率以外に有意差を認めた。 OHSSはlong-IVFのみ2例に認め双胎妊娠はC-IV Fで1例long-IVFで2例認めた。C-IVFの卵子は卵丘細胞が小さく卵割時のフラグ゛メンテーションが少ない印象を受けた。

【結論】この方法は、OHSSの危険性が少なく通院日数も半減 し、 穿刺卵胞数の減少に伴い採卵時の危険性も減少する一方で妊娠率に有意差は無く 、安全で有用な方法と考えられた。

       
     
第65回日産婦愛知地方部会  平成9年6月21日  クエン酸クロミフェン単独刺激による体外受精の検討
     

 近年体外受精の普及はめざましく、有益な成果をもたらしているが、OHSS、多胎妊 娠等、深刻な問題も指摘されている。 今回当院でクエン酸クロミフェン単独刺激によ る体外受精(以下CCC-IVF)を行い良好な結果を得たので報告する。

対象となった症 例は平成8年3月より当院にて施行された男性因子不妊を除く不妊症症例56周期36例で 月経開始5日目よりクエン酸クロミフェン50mgを5日間投与し11日目より卵胞を計測、 主席卵胞が 16ミリ以上になった時点でhCG5,000単位の筋注を行い、38時間後に採卵し た。同時期に行われたGnRHa併用hMG刺激の体外受精 (以下Long-IVF)34周期28例と比 較検討をした。結果はCCC-IVF:Long-IVFで平均 peak E2 745.7:1524.5   平均採卵 数1.4:6.5 平均胚移植数1.2:2.4 周期あたりの平均通院日数7.1:18.0 周期あた りの妊娠率26.3%:29.4%であり、 妊娠率以外に有意差を認めた。またLong-IVFのみ1 例のOHSSと2例の双胎を認めた。

CCC-IVFの卵子は卵丘細胞が小さく 卵割時のフラグ メンテ ーションが少ない印象を受けた。

この方法は、OHSSの危険性が少なく通院日数も半減し、 穿刺卵胞数の減少に伴い採卵時の危険性も減少する安全で有用な方法と考えられた。


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